Opening book details…
Can I read 万葉植物文化誌 on EtoBox?
万葉植物文化誌 by 木下武司著; 木下, 武司 is a nonfiction available to read on EtoBox.
What is 万葉植物文化誌 about?
万葉集を代表する花はウメであるとしばしばいわれます。確かに、ウメの歌は万葉集に119首もあって万葉集を代表するといっても過言ではないようにみえます。しかし、そのウメよりずっと多い141首も歌われている花があります。それはわが国の山野に普通にあるマメ科植物ハギ(ヤマハギ、マルバハギなど数種の総称)です。ハギを詠む万葉歌の大半がその花に言及し、またその花見に行こうという趣旨の歌があるにもかかわらず、万葉の花の話題としてハギが俎上にのぼることはほとんどなく、この理由について説明されることもありませんでした。ウメと対比して論じられることの多いサクラは、今日では大多数の国民によって国花と認識されているほど人気の高い花ですが、万葉集ではウメの歌の3分の1ぐらいしかそれを詠った歌はありません。確かに、平安時代からはウメを圧倒して名実ともに「日本の花」となったことは事実ですが、万葉のサクラのいずれも花を詠ったものであり、散りゆく花を惜しむ歌、あるいは散ってくれるなという内容の歌があり、万葉人に熱く支持されていたことでは決してウメに劣っていたわけではありません。すなわち、単に数の多さでもってその時代を代表する歌と断言するのは正しいとはいえないのです。そのほかにも花の美しさを前提としたような歌が万葉集には多くでてきます。たとえば、フジの歌はわずか二十数首に過ぎませんが、フジの花穂かすい(藤浪と称しています)を折り取って人にみせる目的でかざす(頭にかざすか肩にかける)という内容の歌があり、これが後世の藤娘ふじなみのファッションの原点と考えられます。以上述べたように、ウメ、ハギ、サクラあるいはフジなど各花の万葉集における地位はいずれも甲乙つけ難いものであり、本来はいずれが万葉を代表する花なのか、読者自身の判断に委ねるべきものであって、一部の学者のように一方的な植物観を押しつけるのはいかがなものでしょうか。本書では、一応、筆者の持論が記載されていますが、各読者の判断に委ねるように各花の文化史的背景を詳細に検討しています。 本書は各植物の基原を考証する場合、まず『本草和名』・『和名抄』・『醫心方』を参照して対応する漢名(古代から江戸後期まではこれが学名の機能をもっていました)を特定し、それを基にして中国の本草書の記述を解析するという手法を採用しています。ということは、万葉の植物の多くが薬用ほか何らかの重要な用途あったことを示唆します。また、上中古代のわが国における物産の状況を記した『延喜式』もよく引用しており、その記述内容を詳しく解析しました。『源氏物語』・『枕草子』ほか著名な古典に出てくる場合は、その文化的背景について詳述しています。『本草和名』・『和名抄』の当該項目は原文(漢文)のまま引用しましたが、中国の各本草書はすべて訓読し、難解語句には簡単な説明を括弧付きで付してあります。薬
Who reads 万葉植物文化誌?
It is typically read by self-directed learners exploring a subject in depth.
Common subject areas: history, science, philosophy, social sciences.
- Author
- 木下武司著; 木下, 武司
- Publisher
- 八坂書房
- Published
- 2010
- Language
- JA
- ISBN
- 9784896949513
- Category
- nonfiction
- Subjects
- Literary Fiction, Science, Poetry
More by 木下武司著; 木下, 武司
Browse all works by 木下武司著; 木下, 武司